北海に浮かぶドイツの島『Juist(ユースト)』。
日本では馴染みのない場所ではありますが、ドイツではジルト島(Sylt)やリューゲン島と並ぶ、夏のリゾート地として人気の島なんです。
潮風の効用に加えて車フリーで空気がキレイなことから、喘息や呼吸系患者の保養地としても親しまれています。
ユーストへ渡るフェリー乗り場があるNorddeich(ノルトダイヒ)までは列車で行けますし、観光は日帰りでも十分堪能できました!
そんなユースト島の気になる見どころとは!?
車フリーでのびのびとサイクリング
車の乗り入れが禁止なので、島での主な移動手段は徒歩か自転車です。
馬車に乗ってゆっくり観光も良いけど、島を満喫するなら断然自転車!島の至る所にレンタサイクルの営業所があるので、事前予約は不要です。値段はどこもさほど変わりませんが、フェリー乗り場から少し離れた所のお店が若干お得でした。
ちなみに私が使用したのはここ、『Juist Pirate Bike Center』。
ドイツの女性用自転車は日本人の私には高すぎて足が地面に着かなく、サイズ探しにいつも苦労するんですよね。幸いここには色々なサイズのがあり、終始とてもフレンドリーに対応してくれました。
サイクリングの途中でリュックサックを背負うのが暑くなってしまって、カゴを借りに行ったらすぐに無料で取り付けてくれて、至れり尽くせり!
最西端の『Billriff』まで干潟ウォーキング
干潟ウォーキングはユーストでのトップアクティビティの一つ。まずは自転車を20分ほどこいで駐輪場へ向かいます。
北ドイツ特有のレンガ造りの家を横目に見ながら、とりあえず西に向けて真っすぐ進むのです!
駐輪場にたどり着いたら、さっそくBillriff(ビルリフ)の干潟ウォーキングスタート!
目指すのは下の写真でマークした場所。運が良ければアザラシも見れますよ!
まずは砂州に出るまで「WANDERWEG」(ウォーキングコース)に沿って歩きます。
しばらくすると、茂みの中から何やらオレンジ色のものが見えてきました。
Sanddorn(ザンドーン)!!!
日本では「シーバックソーン」や「サジー」と呼ばれている、最近話題のスーパーフルーツです。ドイツではバルト海側のリューゲン島や、ユースト島をはじめとする北海に面した島々に自生しています。
これまでドイツやデンマークで自生するザンドーンを見たことがあるけど、こんなにニョキニョキ元気に、しかも広範囲に木が生えているのは初めて!これはかなりテンションが上がる光景です。
近くで見てもほら、一つの枝にこんなにもた~くさんの実がぎっしりついてる!!
夏の北半球は日照時間がかなり長いからずっと暑く、乾燥地帯で周りの他の植物は見るからにカラカラ状態なのに、ザンドーンだけはオレンジ色の実までつけてとっても元気。なんたってスーパーフルーツですからね♪
ザンドーン畑におさらばし、結構歩いているのに砂州は思いのほか果てしなーく続いていて、なかなか最西端にたどり着かない!!周りの人も先はまだ長いと理解したようで(?)、適度な所まで来たら引き返していました。
そういう姿に「じゃあ私はたどり着いてやろうじゃん!」と意欲を高められ、ちゃんと最西端到達!!
さすがにここまで来る人は本当に少なく、静かに景色を堪能できました。アザラシも見れたしね♪
島の端まで自転車をこぎ、最西端へのハイキングを終えたらもうお腹がペッコペコ!
実はね、ちょうど近くに腹ごしらえにぴったりの場所があるのです。なんならこれを励みに復路も頑張って歩きましたからね!
Rosinenstuten(レーズンパン)
で、お目当ての食べ物がこちら!
いつの間にかユーストの名物となったRosinenstuten(ロジーネンシュトゥーテン)。
何年か前にドイツのテレビで取り上げられてから、さらに認知度が増し、いつでも人がいっぱい!
でも店の中にも外にも席はたくさんあって、わりとすぐに席があくのでご安心を。
ドイツのパン屋さんには食パンがないのですが、こうやって焼きたての食パン、しかもレーズン入りをこんな所で食べれるなんて!!
思わず1日に2回も行ってしまいましたよ。両方とも出来立てでほんわかあったかく、たっぷりのバターがとろ~りと溶けて美味しかったです。
食べた分は再び自転車をこいでカロリー消費!
もちろんレーズンパン以外にも普通のメニューもあるので干潟ウォーキングのついでに寄ってみて下さいね♪
ドイツ流のお茶会
紅茶文化のイメージが全くわかないドイツですが、ニーダーザクセン州の東フリージアを中心とする地域では例外的に紅茶を飲む習慣があります。
その名もOstfriesentee(オストフリーゼンテー)!アッサムをベースとした濃いめのブレンドティーです。
Kluntje (クルンチェ)と言う氷砂糖を入れ、パチパチと溶けていく音を楽しんだり、お好みで生クリームを入れて飲みます。
ちなみにこのドイツ北部の紅茶文化に影響されてハンブルクで生まれたのが、日本でも人気のミヒェルゼンのキャンディス(ドイツ語で氷砂糖の意味)。いつもの紅茶がさらに美味しくなって、ちょっぴり贅沢なひと時に♪
もちろん使用する専用の食器も可愛くて、「ここは本当にドイツ?」と疑ってしまうくらい!
ティーポットが冷めないように、キャンドルウォーマー付きで出てくるのも嬉しい♪
言っておきますが、フォークは刺さって出てきたんですよ!決して私はこんな風に刺してないです。この光景、ドイツのカフェやレストランではあるあるなんですよね。これを見て現在地がイギリスではないことを再確認!(笑)
他の地域では味わえない、ドイツ流のティーセレモニーをぜひお試しあれ!
ユースト島にはティールーム(TeehausもしくはTeestube)がいつくかあって、今回私が行ったのは『Loogster Stuv』。オシャレな店内でケーキもとても美味しかったです。
引き潮に振り回される!?
ところで、ここユーストは潮の満ち引きの影響を大きく受ける地域の一つなんです。
本土からユーストへはフェリーで渡るのですが、引き潮の影響でフェリーの運航時刻も日によって様々。運航時間的には日帰りできる日もあれば、午後の便がなくて日帰りできない日もあるので注意が必要です。
今までのフェリーやユーストの隣の島へのフェリーでもそんなことを経験していなかったもので、この引き潮に私はかなり振り回されました!ユーストに行くのが目的の旅程だったのに、渡る手段がなくて危うく諦めざるを得なかったくらい。
結局、プランCの水上バスを利用して朝早くに渡ったのですが、帰りの便が夜までなかったんです。
水上バスを予約する時、「夕方くらいに本土に戻りたいのだけど、もうちょっと早い便ないの?」って聞いて返ってきた言葉は
「だって水がないんだから船出せないよ!」
半分冗談かと思っていたんですけどね。
ユーストの港でこんな光景見たらなるほど!と納得しました。ホントに水がない!!
水位が徐々に上がるのを間近に見ながら帰りの水上バスが無事ユーストに到着するを待ち、それはそれで良い思い出になったかな?
Juist への行き方
列車を利用する場合、
▶当日のフェリーに乗るなら Norddeich Mole 駅で下車
▶フェリーの港があるNorddeichで前泊するなら Norddeich 駅
Norddeich Mole駅はまさにフェリー利用者のためだけにある駅です。間違って先のNorddeich駅で降りてしまっても、終点のNorddeich Mole駅まで徒歩10分くらいなので大丈夫!
駅にはコインロッカーもありました。
NorddeichとJuist間はFrisiaと言うフェリーが運航しています。
通常は写真の左側のような大きさのフェリーが運航しますが、引き潮の関係で朝に1本しか出航しないこともあります。
そんな時はINSELEXPRESSと言う、3番ターミナルから出る水上バスを利用するのも手です。
料金はフェリーよりも高くなりますが(片道40ユーロ)、フェリーが運航していない時間帯をカバーしています。
ただ、水上バスを利用する際は何日か前から予約しておいた方が良いです。台数がそんなにないので、ハイシーズンの夏はすぐに満席になってしまいます。
フェリーも水上バスもFrisiaのサイトで予約購入可能です。
いざという時の船!!
さて引き潮のことを知らなかった私はここまで来てプランAのフェリー、プランBのINSELEXPRESS水上バスを逃しました!!!
日帰りと言う身軽なことと天候を考えて、前日に現地でフェリーのチケット買えば良いやー!くらいに思って時刻表すらチェックしていなかったのです。案の定、観光客に望ましくない引き潮の日で・・・
フェリーが運航していない!!
水上バスは前日の時点で全部満席!!!
かなりショック状態ながらも、港を行交いする船を観察して追いかけてプランCを発見しました。
私を救ってくれたのはTöwerland-Express。
実はユーストに行く水上バスがもう一つあったんです!フェリーターミナル付近にはこの看板や宣伝が一切なく、この水上バスが使用する港は離れた場所にあるので海を観察していて見つけれたのはまさに奇跡。すごく自分を褒めてあげたい!
料金は一番高くはなりますが(日帰りの乗客には割引あり)、いざという時にぜひ!
乗り場は他とは違う場所なのでくれぐれも間違えないように。
ここまで読んでくれた方なら「引き潮」のことを考えて私のようなトラブルはないと思いますが、それでも何かの時にこのプランCが誰かの役に立ちますように!