突然ですが、『Skagen(スカーゲン)』と聞いてまず思い浮かぶのは?
ほとんどの人が時計メーカーをイメージすると思いますが・・・
実はデンマーク、そしてユトランド半島最北端の街の名前なんです。ちなみにデンマーク語読みだと「スケーエン」。
私にとっては学生時代、ユーレイルパスでデンマークを周遊した時に時間がなくてたどり着けなかった場所。いつかは行ってみたいと思いつつも先延ばしになっていましたが、ついに行ってきました。また一つ『最〇端』制覇!
満喫するならやっぱり夏がオススメ。想像以上に魅力満載な地域です!!
グレーネン岬 ~北海とバルト海が出会う場所~
スケーエンの魅力はただ「最北端」と言うだけでなく、北海とバルト海の2つの海が出会う場所だから。
その特別な場所を見るなら目指すはグレーネン岬(Grenen in Skagen)!
下の写真で海に向かって突出している矢印の地点です。人だかりで先っぽだけ黒くなっていますね。

砂浜を歩きやすいようにトレッキングシューズに履き替えていざ出発~!

私は最北端地点まで砂浜を歩いていきましたが、春から秋のシーズン中は駐車場から観光バス『Sandormen』で行くことも可能です。
砂浜は歩きやすくはないですし、小さな子ども連れやお年寄りには便利ですね!

駐車場からスタートして歩くこと約30分、やっと最北端に到着すると・・・
思わぬ先客がいるではありませんか!

!!!アザラシ!!!
すご~く気持ちよさそうに日光浴してる~!!カーワーイー!!!

こっちも向いてくれて、『ハロー!』って言ってるみたい。
モデルかのようにいろんなポージングを披露しては観光客を魅了していました。
この子の他にも数頭いたんだけど、みんな海の中から頭だけ出して好奇心旺盛にこちらの様子をうかがうものの、陸には上がってこず。それはそれで可愛かったんだけどね!
そして目の前にはお待ちかね、デンマークの最北端!!

みんな先端に行って記念撮影をしたいもんだからすんごく混んでる。
スマホを高く上げて写真を撮ろうにも西欧人より背の低い私にはどうしても無理があって、海流がぶつかってる所も見れないし・・・
ってことで潔く一時退散!!
人が空くであろう、もっと遅い時間に再チャレンジすることに。
夕飯を食べ終え、食後の散歩がてらにもう一度最北端を目指します。
さすがに2往復目ともなると砂浜のどこが歩きやすいか要領が掴めているので20分でサクッと到着!
夜は白夜の影響で21時前でもまだこんなに明るい北半球。
やっと誰もいなくなって、昼間に人がわんさかいたのがウソのように静か~に北海とバルト海の両方から波が押し寄せています。

そうなの、光景が見たかったんです。昼間は前に人だかりがありすぎて見えなかったこの風景!
左が北海のスカゲラク海峡、右がバルト海のカテガット海峡。
そのうち瞬く間に海水が増して立っていられなくなるのでは!?なんて不安を打ち消すかのように、どんどん海の先へと歩き進むおじさん2名。

彼らが体を張ってくれたおかげで(?)どれだけ浅いのかがよく分かりますね!!
「二つの海流がぶつかり合う場所」というだけに、もっとザッバーン!!って感じの波を想像していたんですが、とっても穏やか。ぶつかると言うよりも『交わう』と言う表現の方がしっくりきます。

全然見えないけどこの海の先にはスウェーデンのヨーテボリがあるんだよな~なんて考えながらしばらくこの風景を堪能しました。
シーズン中で誰もいない時を狙うなら朝早くか夜20時半以降に来るのがベストです!
The Gray Lighthouse(Det Grå Fyr)
先ほどのグレーネン岬一帯の絶景を上からも見たいな~と思ったらThe Gray Lighthouse。
グレーネン駐車場から歩いて10分もかかりません。
中は野鳥に関する博物館になっていて、この博物館のチケットで灯台に登ることができます。

この灯台は45mあり、デンマークで2番目の高さなんだとか。入場料は大人75クローナと安くはないですが、ここからの眺めは必見です!!
Højen は夕日を見るのにオススメ
青い海と空に映えるオレンジ色の屋根はまるでジブリ作品に出てきそうな風景。
HøjenもしくはGammel Skagen(Old Skagen)と呼ばれるこの地区はかつて漁業で栄え、スケーエン発展の起点となった場所です。

ここには人気レストラン『Ruths Brasserie』があり、特別な日や凝ったシーフード料理を楽しむのにオススメ。人気店なので予約必須ですが、予約がなくても18時頃に入り口で待っておけばテーブルの空き状況によって案内してもらえます。

カラフルな街並みの反対側には茅葺き屋根の家が数軒立っています。目の前には北海が広がっていてなんともステキな立地だこと!夏はこんな所でのんびりと過ごしてみたいな~
昼間はビーチで泳いだり周辺を散歩しても良いし、夜は海に沈む夕日も見るのにピッタリな場所です。

The Sand-Covered Church (Den Tilsandede Kirke)
こちらはスケーエンの南西にある教会で、その名も『砂に埋もれた教会』。

14世紀に建設された当時はユトランド半島の北部で一番大きな教会だったのですが・・・
遠くからは実際の半分の大きさくらいにしか見えないので、周囲の砂漠化でどれだけ砂に埋もれてしまったかがよく分かります。
Råbjerg Mile ~デンマークの砂丘~
『Råbjerg Mile』は移動性の砂丘としてデンマークで一番大きく、グレーネン岬に向かって毎年15メートルも動いているんだとか。
どこまでもどこまでも続く白い砂景色はまさに『In the middle of nowhere』。私にとって初めての砂丘だったこともあり、なんだかSF映画に出てくる他の惑星に来たような気分でした。

所々に残るキレイな風紋はまるで日本庭園の枯山水のよう。自然の力ってほんとすごいなぁと思います。
Skagenへの行き方
Skagenに一番近い空港はAalborgなので、空路の場合はAalborg空港からレンタカーかAalborg駅から電車でSkagenに行きます。電車のチケットはデンマーク国鉄のサイトもしくは Omio:ヨーロパ交通予約サイトなどで予約可能です。
ちなみに今回私はドイツからAalborgまで列車で行き、そこからレンタカーで移動しました。
運よくドイツ鉄道の一等車無料アップグレード券を持っていなかったら、道中に映画を見まくるためのiPadを持っていなかったら迷うことなく空路を選んでいたとは思いますが・・・列車内は無料でWi-Fiが使えることもあり、快適な長旅でした。
ドイツ鉄道の一等車では従業員が座席まで飲み物の注文をとりに来てくれるんですが、デンマーク国鉄の一等車のドリンクはセルフサービスでしかも無料!物価の高い北欧デンマークでペットボトルの水が丸々一本「ご自由にお取りください」って置いてあるのはなんともありがたかったです。

一等車の座席は広くてゆったり

右下のポットが紅茶用のお湯とコーヒー
唯一残念だったのはコーヒーのお供に置いてあるチョコレートがリコリス入りだったこと。アイスクリームやハチミツのフレーバーとしてあるくらい北欧では大人気のリコリス・・・私はどうしても苦手です。リコリス嫌いな方は北欧で黒いお菓子を見つけたら気を付けて下さいね!