海外で生活していると、ついつい日本のものが恋しくなりますよね。
そんな時に日本の家族や友人から届く小包はいつだって本当に嬉しいしありがたいものです。
日本から送ること自体は簡単だけど、実際に荷物が手元に届くまで一筋縄ではいかないことがしばしばなドイツ。
日本の郵便局で働く友人はドイツの郵便事情を知って、それはそれは驚いておりました(笑)。
ドイツに住んでいる身としては「これがドイツなんだからしょうがない」の一言につきます。日本と比べてもしょうがないんです、受け入れて生活するしないんですよね。
とりあえず届けば良い、届かなくても差出人に戻ればまだ良いと寛大(?)になろうとする私ですが、先日、課税対象ではない荷物に税金云々を徴収され、おまけにそれまでの経緯もあって頭で何かが「プッツン」と切れる音が・・・
黙ってはおられず関税局とDeutsche Post/DHLに異議申し立てをし、徴収額の全額返金に成功しました。
そんなわけで、同じような境遇の方の参考になればと、今回はドイツにおける非課税対象の個人宛て国際小包に対する税金&手数料返金手続きの仕方を紹介します。
と、その前に・・・
2件の小包:堪忍袋の緒が切れるまでの経緯
- 日本の家族が小包を発送するも、一向に届かず。
- 数ヵ月後に日本の家族のもとに小包が戻ってきた。返送理由には「受取人が取りにこなかった」と。ずっと家にいたし不在表も入っていなかったよ!?しかも非課税品なのに税金を徴収しようとした痕跡が!
- 送料も馬鹿にならないし、ドイツの郵便局がまぁあてにならないので、今度は追跡番号付き(書留)で日本から新しい小包を発送。
- 配達当日に窓を開けて自宅で待機中、配達員が他の棟にいるのが見えたし、端末でやたらスキャンする音が聞こえるもピンポンは鳴らず→配達する気がなかった模様
- 追跡番号で調べると、「配達に行ったが不在だった」と・・・大嘘が!!!
- Packet shopに預けられただけで、本人はまだPacket shopに取りに行ってないのに追跡上では「受け取り完了」の表記が→書留の意味ないじゃん!
ドイツでは2021年7月から関税ルールの変更があったので、担当職員が間違った解釈をして全ての荷物を課税対象とみなしているのでしょうか・・・いやいやいや!!!
いずれにしても、払う義務のないお金を取られるのはたとえ少額でも嫌なものです。
さて、ここから本題です!
まず、返金手続きをするにあたって、国際小包が以下の条件に該当するか確認して下さい。
日本からの送り状に記載されている金額は円表記。
ユーロに換算するといくらになるかはその時の為替レートによって変動します。
ドイツ関税局では適用する為替レートが1ヵ月ごとに定められているので、返金請求をする前に関税局の公式サイトで確認してみて下さい。
◆公式サイトの為替レート:https://www.zoll.de/SiteGlobals/Forms/KursSuche/KurseSuche_Formular_Initial.html?nn=298580
例えば2021年12月15日~29日の対日本円の為替レートを検索すると、12月いっぱいは129,78 EURと出てきます。
とりあえず支払う
Deutsche PostなりDHLなり、Packet shopの店員なり、荷物を受け取るときに支払いを請求されたらつべこべ言わずにその場でひとまず支払います。
そう、払う義務がないって100%自信があってもです!
支払いを拒否すると荷物は受け取ることがきず、発送人に返却されてしまいます。
ちなみに日本に返却されたとしても、差出人が税金や返送料を請求されることはありません(あくまでもドイツでの消費に対する税だから)。
送り状やInvoiceは大事に保管
小包は開けて中身を使用したり、食べてしまって大丈夫です。
ただ、差出人と受取人が記載された送り状(Dispatch Note)や内容品の詳細が記載されたInvoiceは、後にコピーを提出するので保管しておきます。
また、支払った税金&手数料のレシートも念のためとっておいた方が良いと思います。
後悔しないよう、とにかく念には念を・・・ね。
DHLから『Abgabenbescheid』を取り寄せる
まずはDHLから『Abgabenbescheid』を取り寄せます。
DHLのサイトのこちらに氏名、住所、荷物の番号を入力して送信。
すると後日、その荷物に対する課税明細が郵送されてきます。これがないと関税局に問い合わせても対応してもらえないので、大事なファーストステップです。
ちなみに私の時は、DHLのサイトで請求してから1週間後にAbgabenbescheidが届きました。
関税局に税金の返金請求を送る
Abgabenbescheidが届いたら、早速ドイツの関税局『Hauptzollamt』に課税に対する異議申立てを行います。
ここで請求できるのは、税金のみ。
レシート上の『Zoll-/Einfuhrabgaben Fracht』の額です。
『Auslagepauschale』はDeutsche Post/DHLが定める手数料(一律6ユーロ。高っ!!)なので、ここでは請求できません。が、もちろん後で別途返金請求をします♪
郵送されてきたAbgabenbescheidの1ページ目の真ん中くらいに、管轄の関税局の連絡先が記載されています。もし分からなければ、関税局の公式サイトからも管轄の関税局を検索できます(こちら)。
返金の請求はそこに記載のメールアドレスにメールを送るだけ!
メールの本文にはAbgabenbescheidの番号、荷物の番号、返金請求の理由(個人間の贈物且つ規定の45ユーロ以下なので非課税品)と、返金額を振り込んでもらう自分の銀行口座番号を記載します。
「ドイツ語でどう書いたら良いか分からない!」と言う方のために、私が送った文面を参考に紹介します。
青文字の所は各自の内容を入れて下さいね。
Sehr geehrte Damen und Herren,
hiermit bitte ich um Erstattung der Einfuhrabgaben.
Abgabenbescheid Nr. : XXXXXXXXXXXXXXXX/XXX
Bezugsnr./Sendungsnur.: XXXXXXXX
Es handelt sich um eine Geschenksendung von einer Privatperson an eine andere Privatperson.
Der Gesamtwert liegt unterhalb der 45,- Euro, daher sollte es zoll- und einfuhrumsatzsteuerfrei sein.
Bitte überweisen Sie den Erstattungsbetrag auf folgendes Bankkonto.
Kontoinhaber : XXXXX XXXXXX
IBAN : XXXXXXXXXXX
BIC : XXXXXXXXX
Sollten Sie weitere Informationen von mir benötigen, stehe ich Ihnen gerne zur Verfügung.
Vielen Dank im Voraus.
Mit freundlichen Grüßen
XXXXX XXXXXX
【 添付するもの 】
- Abgabenbescheid
- 送り状(Dispatch Note)*税関告知書『CN22』が別途ある場合はそちらも
必須ではないようですが、私は公式サイトの『0223』と言う返金請求のフォーマットも記入して提出しました。
どちらにしろ関税局の担当者が記入しないといけない用紙のようで、私の場合は返金額が3.54ユーロと少額だったこともあり、「ここまでこちらがやっておけば、少額でも返金対応してくれるかも!?」と言う下心から準備しました。
結果は後日郵送されます。
私の場合は必要書類の提出が完了して約1ヵ月後、そろそろ煽りのメールを送ろうかな~と思っていた矢先に手紙で受理の連絡が届きました。
再審査で支払い義務がないことが認められれば、修正理由と返金額が記載された修正版『Einfuhrabgabenbescheid』が発行されます。これを得たら、いよいよラストステップです!
DHLに手数料返金の請求を送る
関税局から返金請求受理の知らせが書面で届いたら、同封されている修正版『Einfuhrabgabenbescheid』をスキャンします。
あとはDHLのサイト https://www.dhl.de/nachentgelt で必要事項を記入し、該当資料を添付して送信するだけです。
【 添付するもの 】
- 送り状(Dispatch Note)*税関告知書『CN22』が別途ある場合はそちらも
- Abgabenbescheid
- Einfuhrabgabenbescheid
私は念のため、支払った税金&手数料のレシートも添付しました。
「Bitte wählen Sie den aktuellen Status Ihrer Auslandssendung: *」(訳:あなたの国際郵便の現在の状況を選択せよ)の項目で「Es handelt sich um eine Sendung aus dem Ausland.」(訳:海外からの荷物に関して)を選択すると、「小包の全6面の写真をアップロードするように」などと記載が表示されますが、私は上記の4点をアップロードするのみで受理されたので、必須ではないと思います。
ウェブ上で送信した後、自動応答メールで「問い合わせが殺到しているため、返信に最大10営業日かかる可能性があります。」とあったので気長に待つつもりでいたら、翌日にはDeutsche Post/DHLからも返金請求受理の知らせがメールで届きました。
これにて非課税対象の個人宛て国際小包に対して誤って徴収された税金&手数料の返金手続きが完了です。関税局、Deutsche Post/DHL共に、受理の知らせから数日後には返金額の振り込みがありました。
おわりに
今回の返金額は合計9.54ユーロ。
たくさん調べて返金請求に至るまでに費やした時間を考えると全然対した額ではないと思われる方もいると思います。
それでも払う義務がないお金を徴収されるのは嫌だし、泣き寝入りするのも嫌な性分なので、修正版Einfuhrabgabenbescheidが届いた時は私にとっては金額以上の価値でした。
ぶっちゃけ、日本の家族がせっかく私を想って色々用意して小包を送ってくれたのに、ドイツの配達員の勤務態度のせいで1回目は届かず(しかもよくある)、2回目は不必要に税金・手数料を徴収された怒りが異議申し立ての大きな原動力になったんだけどね(笑)
関税局のサイトには『返金額が少額の場合はこちら側の不備でも返金しません』と言う記載もあったので、返金されなくてもせめて間違いが認められればといいや~くらいの気持ちでしたが、Deutsche Post/DHL含め無事全額返金されました。
海外からの荷物がスムーズに届くことが理想ではありますが、もし同じような境遇に合った場合は参考にしていただけると嬉しいです。