村一番のレストランでの夕飯に大満足し、二夜連続オーロラ鑑賞を楽しみにしていた前夜ですが・・・
一面曇り空で見れませんでした!!
多少の曇りなら雲の切れ目とか、薄い雲が上空に来るまで待つんだけどね~。
雨雲レーダーでその都度確認してもずーっと分厚い雲に覆われているし、なんならその雲の影響で翌日は一日中曇りな予報だったもんで、潔く諦めて撤収!
3日目はアクティビティー満載な日で、十分な体力と睡眠をとっておかなきゃいけなかったのも引き上げる決断を後押ししました。
とは言っても日付が変わる時間くらいまでは粘ってたんですけどね(笑)
さて、本日の予定はズバリ、
- スノーモービルに乗って凍った湖と森を走行 ➡ アイスフィッシング (焚火を囲んでのランチ付き!)
- クロスカントリースキーの入門講座
これまでトナカイぞり、犬ぞりと言ったラップランドならではの冬のアクティビティは体験してきた私、スノーモービルは避けてきました。
なんでかって?
だって原付にも乗ったことないから怖いんだもん!
おまけに車みたいにガードしてくれるものがないし。。。
そんなビビりな私の先入観を今回急遽参戦してくれた友人が180度変えてしまいます。
控えめに言ってめちゃくちゃ楽しかった!!!
ツアー催行会社はいくつかあって、今回利用したのはホテルやオーロラキャビンでお馴染みの『Visit Inari』。
スノーモービルとアイスフィッシング体験
ここの『スノーモービルとアイスフィッシング体験』は三択。
後ろに乗る人はちょっと不安定かもしれないし、お互いどのくらいのスピードを出したらいいか分かんないし、二人乗りのスノーモービルはちょっとデカいかも?
と思って一人乗りを選んだのに・・・用意してあったのはすべて二人乗り用でした(笑)
でも結果的に一人一台を運転して良かったです!!3つの選択肢の中でお値段は一番高くなりますがね~
受付を済ませたら地下階に行き、まずは防寒着を選びます。
予約した時に服のレンタルについて記載がなかったので、私たち含め他の客も自前の防寒着で来ていましたが、「運転中もだし、じっとアイスフィッシングしてると冷えるよ」と言うスタッフのアドバイスを受けてブーツ以外一式レンタルすることにしました。(ブーツもレンタル可能です)
借りたのはつなぎの防寒着、ミトンタイプの革製のロンググローブ、フェイスマスクの3点!
レンタル料は追加でかからないので、身軽な格好で来ても安心ですよ~♪
ただね、ヘルメットの下にかぶるフェイスマスクは、洗濯済みなはずなのにかなり汗臭い。。。荷物になるものでもないし、気になる人は自分のを持参した方が良いと思います。
準備が整ったお次はスノーモービルの操作方法についてプチ講習。
初めてだと覚えないといけない情報がありすぎてあたふたしてしまいそうだけど、
操作はいたって簡単!
右側の赤いポチがエンジン。これを上に持ち上げたら、親指をアクセルにかけ、ハンドルを握ります。
あとはアクセルをハンドル側にグッと引き寄せたらスノーモービルが前に進みます。
左側の持ち手は自転車のようですね。しかもブレーキをかける操作も自転車の運転と同じなんです!
最後に、みんなで連なって運転するにあたり、大事な3つのジェスチャーを練習して出発です!
ちなみに3つのジェスチャーの意味は、①出発するよー!②動物がいるから注意&ゆっくりね ③もうすぐ停まるから徐行してね
で、どれも『エイ、エイ、オー!』の腕の動きに似ててなんとも楽しい♪
しかも実際に、森の中をドライブ中に何度かトナカイに遭遇したんです。ただ運転中で写真が撮れなくて残念!
さて、Hotel Inariの裏から出発してイナリ湖氷上をドライブすること15分。
湖のど真ん中で停車して、インストラクターの一人(通称:イナリっ子)がせっせとドリルで氷上に穴をあけはじめました。
もう一人のインストラクター(名前:ヨーホー)はと言うと、少し離れた所にあらかじめ開けてあった穴から新しく開けられた穴へ向かって何か糸のようなものを送っています。
どうやら前もって魚を捕る仕掛けをしていたようで、素手で水中からスルスルと仕掛けネットを引き出すも、魚は全くかかっておらず!!
「え!?アイスフィッシング体験ってこれで終わり?そんな訳ないよね!?!?」
おそらく多くの参加者がそんな疑問を抱えながら、再びスノーモービルで氷上を突っ走り、森へと突き進みます。
森の中は氷上を走るより運転がちょっとトリッキーになるけど、雪に覆われた木々の景色は最高にキレイ!!途中で何回かトナカイにも出会えたしね。
しばらくして停車合図が来たと思ったら、前方に湖が見えてきました。
どうやらここでアイスフィッシングをする模様。そりゃそうだよね、あれだけで終わりじゃないよね!(笑)
それにしても、こんなオモチャのような釣り竿で釣れるのか⁇
このだだっ広い凍った湖の上で各自好きな場所を選んだら、手動のドリルをひたすらグルグル回して氷上に穴をあけます。
これが結構しんどいったらありゃしない!!
あまりにも汗だくになりながら長い間苦戦していたもんで、最初は見守ってアドバイスをくれていたイナリっ子が最終的には見かねて助けてくれました。
私たちがヒーヒー言いながら回し、一向に貫通する気配がなかったドリルでいとも簡単に穴を開けてしまった彼、そのまま2つ目の穴までサクッと開けちゃいました。同じ道具を使っていたとは信じ難いぐらいのスピードです(笑)
「生まれた時からここに住んでたら、これくらいできて当然だよ!」となんとも頼もしいイナリっ子(名前忘れてしまってごめんよ)なのでした。
これからもイナリの活性化に貢献してね!
こんな感じで開けた穴に釣り糸をたらし、たま~に上下に動かしてみたりして様子を見ます。
湖の周りは白樺の木々に囲まれていて、ザ・北欧な風景を横目にのんびり楽しみます。
それにしても、一向に釣れる気配がしないし、『釣れた』っていう口コミもなかったから、
「ねぇねぇ、ぶっちゃけさ、ここって本当に釣れる所?友達と来るときここには来ないんじゃない!?」
って聞いてみたら案の定、控えめに首を振るイナリっ子なのでした。
まぁ、あくまで『体験』だしね!!釣れなくても非日常的な体験と環境で十分楽しいです。
おまけにインターナショナルな参加者同士の面白いやり取りもあって ↓↓↓
待ってるだけでなんだかもう飽きちゃったな~
そんでもって小腹も空いてきたよね。そんな時は~?
はい!ポテチ!!
と、ビッグなアメリカン3人娘がリュックサックから取り出したのは大きなポテチの袋。典型的と言うか、なんとも期待を裏切らない行動(笑)
てかさ、ポテチって魚の餌にいいんじゃない?
湖の中に入れてみようよ!これ我ながらめっちゃ名案じゃない!?
それっ、イェーイ♪
と、ボリボリ食べながら氷上の穴にポテチを落とすガールズ達。
そんな彼女達の側で釣りをしていたドイツ人の青年が穏やかに苦言を呈します。
君たちさ、ポテチが魚にとって害があるとは思わないの?
おまけに湖の中にポテチなんか入れちゃって、ポテチに含まれる油分とかのせいで水が汚染されたり、他の生態や環境に悪い影響を及ぼすかもって考えないの?
と、さすがは環境意識の高いドイツ人。ごもっともな意見を投げかけます。
気になるガールズ達の反応はと言うと・・・
全然思わなーい!!
魚たちもポテチが降ってきて絶対喜んでるよ。こんな美味しいものにありつけて最高ってさ♪
と、これまた楽観的で想像通りの回答をするアメリカン3人娘。思わず笑っちゃったよね。
そんな典型的なアメリカ人とドイツ人のやり取りを黙って傍観している、これまた典型的な日本人?の私たちなのでした(笑)
「魚釣れないね~」なんて言いながらまったりしていると、ランチの準備ができたようでヨーホーが呼びに来てくれました。
我こそは絶対一匹釣ってやるぞ!と意気込むドイツ人の青年を残し、みんな焚火の元へまっしぐら。どうやらみなさん、早々に飽きてしまっていたようです(笑)
お待ちかねのランチは具だくさんのサーモンスープ!!!フィンランドの定番料理です。
ほらこの通り、サーモンの身が贅沢にもゴッロゴロ入っていて食べ応えありそうでしょ?
しかも味も最高に美味しい!!なんたってHotel Inariの厨房で作られているんですからね♪
お代わりしたいのは山々だったんだけど、男性陣でも誰もお代わりしないから遠慮しておきました。(そんなの気にせずお代わりしておけばよかったと未だに後悔。。。)
防寒着のおかげで全身ずっと暖かいし、静かでこんなきれいな景色を目の前に食べるランチは最高です。やっぱ白樺には冬の雪景色がお似合いね。
真冬に比べて日照時間も少しずつ長くなり、これまでずっと雪に埋もれていた植物が所々顔を出していました。
こちらはクロウベリー(Crowberry)と言う北欧に自生するベリーで、熟すと黒紫色になります。
オレンジ色をした実のクラウドベリー(Cloudberry)とよく似た名前ですね。
アントシアニンがとっても豊富で美肌効果も♪
そしてこちらも北欧ではおなじみのリンゴンベリー!(コケモモ)
ソースとして肉料理に添えたり、冬のアクティビティには暖かいリンゴンベリージュースを持参してほっとひと息ついたり。
これまでベリーの収穫シーズンに北欧に来ることがなかったから、自然の中で見るのは初めて
だし、まさかこんな形でベリー達を発見できるなんてなんだかすんごく得した気分♪
湖の近くにはもう一つ観光スポットがあって、スノーモービルに乗って再び町に戻る前にちょっぴり食後のお散歩です。
森の中の古い教会 『Pielpajärvi Wilderness Church』
白樺の木々に囲まれてひっそりと建つこちらの木造教会が建てられたのは1760年。
当時はこの辺りにイナリの冬の村があり、冬の間人々が滞在しに集まっていたようです。
サーミの民族衣装の色をした説教壇。
聖書を置く台が民族衣装の帽子のようにも見えてくる。
カラフルな説教壇に対して祭壇は真っ白で素朴なんだけど、どことなく優しを感じます。
ここで結婚式もできるみたいですよ!
この教会のことはイナリ旅行の下調べをする最中に見つけいて、「行ってみたいな~でも町から遠いな~」って諦めてたくらいなので、まさかアクティビティの中で訪れることができることは思ってもいなくラッキーでした。
ウィンタースポーツが盛んな国だけに、クロスカントリースキーでここまでやってくる人達もいましたよ!
スノーモービルで行くよりも周りの景色をゆっくり楽しめてトナカイの観察もじっくりできて良さそうなんだけど・・・地図で見るとこの通り結構遠いのです。
なので体力に自信がある人はぜひ!
初めてのクロスカントリースキー体験
クロスカントリースキーのインストラクターはなんと、さっきのアクティビティも担当してたヨーホー。
少々お疲れの様子でしたがね(笑)
参加したのは私たち二人だけだったので、贅沢にもプライベートレッスンとなりました♪
おまけにもう顔見知りなのでアットホームな感じでレッスンスタートです!
今回も用具を一式貸してくれるので手ぶらでOK。
スキー板とポールは背の高さや腕の長さを見ながら選んでくれるし、専用のブーツもあります。私はウィンタースポーツが初めてすぎて、専用のブーツが要ることに驚きましたがね!
二人とも初心者なので、レッスンでは用具の説明、基本的な滑り方、こけた時の立ち上がり方を習ったら、まずは平たんなコースを様々な滑り方でひたすら往復。
コツが掴めてきた所でアップダウンがある森のコースに向かいます。
さすがはウィンタースポーツが盛んな北欧、ここイナリでもそこら中に専用トラックがあり、定期的に整備されています。
なので道にこんな線を見つけたら壊さないでね!
単に車か何かが通った跡のように見えるし、知らないとその上を歩いちゃいそうだけど、クロスカントリースキー用に意図的に引かれた線なのです。
一番楽しかったのは森のコースで、やや急な坂からジェットコースターのように一気に滑るのはかなり爽快でした!
その後はヨーホーが持って来てくれていたミックスベリーのホットジュースを飲みながら、こんなきれいな夕焼け空を堪能。
そうそう、ちょうどこの時ヨーホーが、以前狼に出くわした時の話をしてくれたんです。
なんでも、フィンランド北部のとある森で一人でクロスカントリースキーをしていると、前方に狼が立っているのが見え、狼もこちらを見ていたんだとか。
どうしてハスキー犬ではなく狼だと分かったかと言うと、離れていても分かる圧倒的な獣臭。
その時はめちゃくちゃパニックになって生きた心地がしなかったって。そりゃそうだよね。
そんなパニック状態のヨーホーが考えていたことは・・・
「どうしよう?警察に電話した方がいいのかな!?」
命の危険性がある中で真っ先に警察への電話を考えたこと、しかも至って真面目にこの話をしているヨーホーの人柄の良さとピュアさを感じた私たちなのでした。
ちなみにヨーホーはペットの犬2匹の名前をタトゥーで入れているんです。しかもひらがなで!しかも名前は2つともジブリ作品の登場人物からとると言う、大のジブリファン!!やっぱジブリが好きな人は良い人ばっかりだね~♪
今日は一日中動き回って疲れることを見越し、夕飯は宿泊しているホテルでとることにしていたので、アクティビティ終了後はヨーホーにホテルまで送り届けてもらいました。
ヨーホー、丸一日ありがとーう!Kitos!!
本日の夕食
さてさて、お待ちかねの本日の夕食はアラカルトからの選択です。
メインはトナカイのソテーとマッシュポテト。
北欧でお肉を食べるときによく出てくるリンゴンベリーのソースと一緒にいただきます。
トナカイを見た日にトナカイを食べると言う、なんとも特別なディナーです。季節外れなリンゴンベリーも発見したしね!
初めての方は、「ベリーのジャムをお肉と一緒に食べるの!?」ってびっくりするかもしれませんが、リンゴンベリーは酸味が強く甘さがかなり控えめなベリーなのでお肉との相性が抜群。特にワイルドなお肉と食べると臭みが気にならなくなります。
牛のこま切れ肉を炒めてリンゴンベリーを添えるだけで、お家でも気軽に北欧テイストな一品が楽しめたり♪
デザートはどれも美味しそうで決めきれなかったので、2種類頼んで2人でシェアすることに。
奥はブルーベリーソース添えチョコレートムース、手前はタルト生地に入ったレイパユーストとクラウドベリーソース。
オレンジ色のベリーがクラウドベリーで、プチプチした食感とハチミツのような味が特徴的です。レイパユーストは噛むとキュッキュッとした独特な食感があるし、この2つの組み合わせはとにかくお口の中が忙しくて楽しい(笑)
どちらのデザートもおかわりしたいくらい上品なお味で大満足でした!
ちなみにお皿は全部、フィンランドを代表するライフスタイルブランド『Pentik』のもの。
真っ白なお皿にトナカイの角のモチーフがアクセントになっていてオシャレでしょ♪
一日中アクティビティに参加して、美味しい夕飯とデザートでお腹いっぱい、なんとも充実した一日でとっても幸せ~
なのですが、これで終わりではありません!!
天気予報によると、日中ずっと空を覆っていた雲が夜中には全部過ぎ去っている見込みで・・・
オーロラ編につづく。