オーロラの旅【イナリ in フィンランドのラップランド】Day 2

inari-day2フィンランド

イナリに到着早々オーロラ鑑賞を堪能した一夜が明け、2日目はサーミ文化に触れるべく村へとくりだします。

それからスーパーやお土産屋さんもチェック!

5泊とは言えど、滞在ホテルが村からちょっと離れている&その後は毎日予定がいーっぱいなので(大自然の中で『オーロラメインのまったり旅』をしようにも、結局はいろいろ詰め込んじゃった!)、来たばっかりなのにお土産を物色するのです(笑)

最初に向かうのは、宿から一番離れた所にあるサーミ博物館『Siida』

一番離れてると言っても、スーパーとかがある中心部からは徒歩15分ほど。
宿泊したWilderness Hotel Inariから歩けない距離ではないものの、歩道の状態が分からなかったのでホテルからタクシーで行くことにしました。

イナリのタクシー

こんな小さな村でもタクシー会社が3社もあるんです。だからレンタカーがなくても便利で安心!

inari-taxi

旅行計画を立てる時点でタクシーの利用を想定していて、事前にこちらのサイトで調べておいた相場16ユーロとほぼ一緒だったので一安心。

それにしてもこういうタクシー料金の相場を事前にチェックできるサイトは便利ですね!
他の交通手段との比較だけでなく、ぼったくりも含めて(北欧では無いことだと思いますが)現地でビックリしなくて済みますから(笑)

まず初めに1番目のTaxi SLANTに電話してみると、

「英語は話せない。・・・」

とのことだったので、ここは断念して2番目のTaxi Arrela Virpiを利用しました。

で、これが大正解!!

電話に出てくれたとっても陽気なフィンランド人のおっちゃんが運転手で、結果的に滞在中めちゃくちゃお世話になりました。もうね、我らのお抱え運転手(笑)
おまけに車体にはクラウドベリーのイラストがでかでかとあって、車を見るだけでウッキウキ♪
たった6分の乗車中でも話が弾んでずっと楽しかったし、またイナリでタクシーを利用するときは間違いなくおっちゃんを呼びます!

おっちゃん待っててね~

おすすめのタクシー会社 

Taxi Arrela Virpi
Tel:+358 503 373 339

※時期や物価によって料金の変動があると思いますが、平均価格で提供する会社だと思います。

Siida

以前行ったヨックモックのサーミ博物館がとっても良かったこともあり、Siidaはイナリに来たら絶対に行きたい場所の一つだったんです。この村ではサーミの議会も開かれるし、サーミ文化の中心的な場所だからこそ、博物館もそれはそれは見応えがあると聞いていたのです。

が、しかし!

ちょうど改装工事中で野外博物館だけ見学可能でした。残念!!!
2022年の6月にリニューアルオープンするとのこと。つまり「また戻っておいで」って言われているのだと勝手に解釈いたします(笑)

siida-room3

仮設のチケット兼お土産ショップで入場料を支払って奥の敷地に進むと、月日を感じさせる小屋がポツポツ建っていて、まるでタイムスリップしたかのよう。

これらはイナリから20㎞ほど離れたTirroと言う村に暮らしていたとあるサーミ族の一家のもので、当時の生活を伝えるためにここに移されて来ました。

中はとっても木のぬくもりを感じるし、暖炉の形も味があります。なんだかハイジとおじいさんが暮らしてそう!

ちなみにサーミ族は一般的に小柄と知られていて、男性でも平均身長が150㎝ほど。そのためか、小屋にあったベッドはどれもシングルサイズでした。

年数を経てこそ出るこの木の色と艶は本当に素敵。頑丈な造りで、サーミ族は昔から大工としても高い技術を持っているんですね。

こちらはボートとソリが展示してあるお部屋。

siida-boat

ボートに乗って湖で魚釣りをしたり、ソリは長距離移動時にトナカイに荷物を引いてもらうのに使用していました。

この小さな小屋は中の物が動物に取られてしまわないようにと作られた高床式倉庫。

siida-storage

でもさぁ、「ぴょん、ぴょん、ぴょーん」って良い感じで登れてしまいそうな気がするのは気のせい・・・!?

他にも熊、オオカミ、ウサギ、キツネなどいろんな野生動物を仕留めるための仕掛けが展示してあって興味深かったです。

1時間ほど時間をかけてゆ~っくりと野外博物館を見終え、最後は仮設ショップでお買いもの♪
改装工事前は「サーミの工芸品やお土産の品揃えが良いのはSiida」と言う情報だったんだけど、なんせ今は仮設ショップでスペースも限られるので想像よりは少なくてちょっぴり残念。
それでもニット製品、アクセサリー、キッチングッズ、ポストカードなどセンスの良いものがたくさん揃っていて、後から振り返ってもイナリで一番良かったと思います!

siida-reindeer
場所

Siida
Inarintie 46
99870 Inari

Sajos (Sámi Cultural Centre Sajos)

サーミ文化に触れれるだけでなく、この地域のサーミ族にとってとても重要な場所がここ『Sajos』

sajos

パイプオルガンのような、もしくは上空をなびくオーロラのような形が目印のこの建物は2012年に完成し、ラップランド北部において一番大きな議会・イベント会場です。

中は4つの自治区(Enontekiö、 Inari、 Sodankylä、Utsjoki)から成るフィンランドのサーミ議会、サーミ文化・教育センター、サーミに関する記録保管所、ラップランド州庁などが入った施設となっています。

入ってすぐ左には図書館があり、サーミに関する本がたくさん。
図書館の前ではサーミの伝統工芸品が展示されていました。

sajos-birchbox

こちらは白樺の木材とトナカイの角を使用して作られた箱。

トナカイの角に丁寧に施された紋様がとっても素敵!しかもこの角は単なる飾りではなく、留め具になっているのもポイントです。

sajos-leathercraft

他にもトナカイの革で作られた巾着がありました。
展示されているものは大きめですが、小さめの巾着はコーヒー豆を入れるのに使用されます。

その昔、トナカイの毛やシルバーアクセサリーとのトレードでコーヒー豆を得ていたサーミの人々。そこから独自のコーヒー文化が始まり、山で仕事をする合間に飲む「焚き火コーヒー」は格別なひと時をもたらしたことでしょう。

『焚火コーヒー』って?

焚火コーヒーはフィールドコーヒーとも呼ばれ、やかんに水と粗挽きのコーヒーをそのまま入れて、そのやかんを直接焚火にかけて煮出して作ります。塩を一つまみ入れて煮出すとさらに美味しいのだとか。

ドリップコーヒーが誕生する前からある方法で、山で仕事をする人達ならでは飲み方ですね。

ドリップバッグがなくてもやかん一つでできるのも特徴で、アウトドアにもぴったりな北欧流焚火コーヒー、ぜひお試しあれ!

それから極寒の地で欠かせないニット製品もありました。

sajos-mittens

やはり本当に寒い地方で使用される手袋はミトン型で先が尖がっているんですね。
サーミの伝統的な模様をあしらったデザインもとても可愛らしく、これを着けてならマイナス30度の寒さでも楽しく過ごせそう。

これらサーミの伝統工芸品はあくまでも日常生活で使用することを目的に作られており、毎回説明を聞く度にその優れた機能性に驚かされます。

併設のお土産ショップにも手縫いのミトンを発見!サイズ、柄共にイナリ一の品揃えです。

inari-mittens

写真の左手側に見えるのはウールのショール。暖かいのはもちろん、カラフルでおしゃれな民族衣装ですね!
今回は予算の都合で渋々断念したけど、いつかは欲しいなぁ~とこの写真を見るたびに心がキュウゥっとなります(笑)

こちらのショップはどちらかと言うと手芸材料がメインで、民族衣装に使用される生地や糸、刺繍が施されたリボン状のバンドがたくさんありました。手編みミトンのキットや本もあるので手芸好きの方は必見です!

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さて、施設を一通り見終わった後はSajos内のカフェレストランで一服することに。
なんせSiidaからずーっと歩きっぱなしだったもので、やっと座れるのがすごく嬉しい!

Café Čaiju

カフェでは軽食やランチメニューもあり、Sajosの職員さん達の憩いの場でもあります。

昨晩のオーロラ鑑賞の影響で遅めの朝食だったことに加え、朝食バイキングではかなりガッツリ食べてしまっていたのでランチを食べるほどはお腹が空いていないという痛恨のミス・・・

それでもせっかくなのでシナモンロールと不思議なドリンクをいただきました。

chaga-bans

このドリンク、見た目はごく普通のラテマキアートに見えるでしょ?

ところがどっこい、その名は『チャガラテ』キノコが入ったラテなのです!

Chagaって名前、しかもラテに入れちゃうキノコなんて私初めて聞きました。
気になってレジのお姉さんに尋ねてみると、その希少性から「幻のキノコ」と呼ばれ、栄養価も抜群なスーパーフードの一つなんだとか。

キノコのクリームスープみなたいなキノコっぽい味を勝手に想像していたんですが、全くそんな味ではなくて、コーヒー豆をかじった時のような苦みが少しあるくらいでした。

ちなみにチャガは主に白樺の木に寄生し、白樺の木2万本に一本程しかないと言われるくらい見つけるのが困難なキノコだそうですが・・・

数日後、森の中をお散歩中に発見しました!

chaga-tree

木の幹の中に見える黒い物体がチャガです。こんな形のキノコもあるんですね~!

和名では『カバノアナタケ』と言って、北海道産のものがあるので気になった方はぜひ♪

場所

Sajos – The Sámi Cultural Centre
Menesjärventie 2A
99870 Inari

スーパーとお土産屋さん

村の中心部には K-Market Saleと言う2つのスーパーがあります。

どちらも品揃え豊富で、

お野菜はどれも一玉、一パックが小振りで(ドイツに比べて)、滞在中自炊したい人にはすごく利用しやすいと思います。

そしてさすがはサウナの国フィンランド!!

『ヴィヒタ』と言う、白樺の束がスーパーにも普通に売ってありました。サウナ中にこれで身体を叩いて血行を良くしたり発汗を促すのがフィンランド流。

birch-whisk

イナリの宿はサウナ付きの部屋もたくさんあるので、プライベートサウナでフィンランドのサウナ文化を満喫するのも良いですね♪
特に真冬は-20度を下回るし、なんたって極夜の影響で日照時間がかなり短いもんで、室内で楽しめる方法としてサウナはうってつけ!

北欧はベリーが豊富なので、冷蔵のジュースコーナーにはたくさんのベリードリンクがありました。

見ているだけでなんだかウキウキしてくるような可愛らしいパッケージ♪

inari-keitto

そしてフィンランドの定番紅茶メーカーと言えば『Nordqvist』。ムーミンがパッケージのフレーバーティーでもおなじみです。

おそらく日本で出回っているのはムーミンのものだけですが、他にも緑茶、ルイボスティー、ホワイトティーをベースに使用したたくさんのフレーバーティーがNordqvistから出ています。

しかもだいたい一箱が4~5種類のアソートになっていて、いろんな味を楽しめるのが嬉しい♪

今回はどの紅茶にしようかな~?って棚を見ていると、見たことのないかわいいパッケージを発見!!

その名も『ADVENTURE』だって!クマさんがひょっこり♥

teasortment_inari

ティーバッグが20袋入っていて全部違う味だからお楽しみ感が半端ないし、ちょうど気になっていたフレーバーティー2箱分の紅茶もこの中に入っていたのでこちらに決定!

とりあえずNordqvistの紅茶を試してみたい!なんて方にもぴったりです。
あ、でもブラックティーだけのアソートだったら写真の左側にあるムーミンのパッケージの箱がおすすめですよ!一つ一つ、ムーミンキャラの袋に入っていて見た目にも癒されます。

続いてチョコレート売り場に行くとチョコボールみたいな形のチョコを発見。

こちらはその名も『Reindeer Droppings』。はい、トナカイさんの落とし物でーす!

reindeer_droppings

別の日に森の中でこの本物を見たけど、確かにそっくりでしたわ(笑)

村で唯一のザ・お土産屋さん Lahjatalo Näkkäläjärvi もスーパーのすぐそばにあります。黄色い壁の大きな建物が目印です。

ポストカード、トナカイモチーフの雑貨、アクセサリー、木製雑貨、ククサ、トナカイの毛皮やトナカイの角を使ったキーホルダーやキッチン用品からウール製品や防寒具など、とにかく色々揃っています。なんなら釣り用具もあり・・・

なんと、トナカイやヘラジカの肉缶に交じって熊の肉缶までありました!!

inari-wildmeat_can

イナリでお土産屋が買える所と言えば先ほどのSiidaSajosとこのLahjatalo Näkkäläjärviの3店で、他はずっと閉まっているか夏季のみ営業している模様でした。

場所

Lahjatalo Näkkäläjärvi Oy
Inarintie 45
99870 Inari

Juutuanjoki

第一段のお土産探しも一通り終わり、夕食までまだ時間があったのでイナリ湖へとつながる川を散策してみることにしました。

juutuanjoki

イナリ湖はスノーモービルがビュンビュン通れるくらい完璧に凍っていても、こちらは川なので完全には凍っていません。

雪に覆われてどこまでが陸か分かりづらいので岸から少し離れた所を歩いていると、この川に生息するニジマスの看板を発見。

左の魚、ガッツポーズしているように見えません!?

juutuanjoki-arcticchar

まぁ魚にガッツポーズするような手があるわけないので顎なんですけどね。

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レストラン『Aanaar』

お待ちかねの夕飯はホテルKultahoviに併設されたレストラン『Aanaar』でいただきます。

イナリでNo.1ナンバーワンのレストランとして名高く、地元でとれた食材を使いこなして生み出す上品な味は現地の人にも大人気!

そんなナンバーワンのレストランに初日から行ってしまって良いものか?楽しみは最後までとっておくべきで最終日に行くか?悶々と悩みに悩んだ挙句、初日に行くことにしました。

小さな村でお食事処も限られるので、念のため数日前にメールで予約を入れておきましたよ♪

メニューはコースとアラカルトがあって、コースの『Inari Menu』は地元でとれた食材だけを使用した3品か5品で構成されています。

私はすでに食べたいものが決まっていたので、アラカルトで頼むことに。

まずはフィンランドビール『Karhu』で乾杯!

karhu-inari

「Karhu」はフィンランド語で「熊」と言う意味なので、このビールのロゴはもちろん熊さん。

karhu-bear

ボトル全体に熊の顔があしらわれているんだけど、分かるかな?

ビールをついでくれたウェイターさんに

「記念にこのボトル持って帰ってもいいよ!」

って言われたんだけど、荷物になるので丁重にお断りしました(笑)

それにしても、フィンランドを初め北欧では何も言わなくてもお水を持ってきてくれるのが本当にありがたい。あ、お水はもちろん無料です!

それぞれのテーブルにはイッタラのキャンドルが置いてあって、お料理を待つ間はキャンドルの灯に癒されていました。ちょうど外も薄暗くなり良い雰囲気。

そうこうするうちにさっそく前菜がやってきましたよ。

Lake Inari Sake-marinated whitefish

イナリ湖でとれたホワイトフィッシュ(シロマス)のマリネをシーバックソーンの発酵果汁とディルソースをかけていただきます。

ディルソース(ウェイターは「キュウリ」って言ってたけど・・・)は料理を席に運んできたときに目の前でぐるっとかけてくれ、見た目が一気に鮮やかに!

それからこのマリネ、日本酒が使われているんです。メニューには他にも日本を感じる調味料が使われているものがあり、ついつい和と洋のハーモニーに目が行ってしまいます。

季節によってはイナリで採れる松茸を使った料理もあるんだとか。

そして、お待ちかねのメインはトナカイ肉!
松の葉を添えてローストされていて、耐熱容器の蓋を開けるとなんとも良い松のスッキリした香りが漂います。

ローズマリーの代わりに松の葉を使うのもありですね。家でも今度やってみようかな!もちろんトナカイ肉じゃなくて牛肉になるけど。

Roasted reindeer smoked with pine needles, reindeer blood dumpling

もう一方のお皿にはソースの上にポテトピューレ、ダンプリング、ベリークランブル入りのトナカイの骨髄(marrow bone)があって、ここにトナカイ肉を入れてソースに絡ませて食べます。

『reindeer blood dumpling』=トナカイの血を混ぜた団子!?

って名前を見ただけだとびっくりしちゃうかもしれないけど、これが結構美味しいんです!
トナカイや豚の血を混ぜたダンプリングは北欧では伝統的な料理で、イギリスのブラックプディング(Black pudding)やドイツのブルートヴルスト(Blutwurst)と似ています。イギリスとドイツのものはソーセージの部類ですが、ダンプリングはもっちりとした生地。

臭みもないので、言われなかったら血入り団子なんて思わないんじゃないかなぁ?

メインのトナカイ肉も全く臭みがなく、ジビエ料理が苦手な友人でもペロリと完食していました。さすがは村一番のレストラン!

食後はデザートの代わりにデザートワインをチョイス。

だってね、あのクラウドベリーで作られたワインなんだもん!クラウドベリー好きとしては試さずにはいられないでしょ♪

Valokki

このオシャレなフォルムのグラスはもちろんイッタラのもの。
キャンドルホルダーと同じ『ウルティマ ツーレ』と言うシリーズで、ラップランドの氷が溶ける様子に着想を得てデザインされています。通りでラップランドの恵みであるクラウドベリーとの相性も抜群なわけです。

上からグラスの底を覗くと、丸くポコポコした模様がまるでクラウドベリーの実のようにも見えてきて・・・飲んで楽しい&見て楽しい♪

お店の棚に置いてあるのを見ただけでは多分選ばなかっただろうけど、こうやって飲んでいると愛着が湧いて欲しくなるからあら不思議(笑)
一応白ワイン用のグラスなんですが、デザートワインやジュースを飲むグラスとしても重宝しそうです。

場所

Restaurant Aanaar
Saarikoskentie 2
99870 Inari
Tel:+358 165117100

※予約はしておいた方が無難です。当日は電話してみて下さい!

お腹も心も満たされた後は、宿に戻るためにタクシーを呼んでもらうことにしました。
にしても暖炉の火にあたりながらタクシーを待っていたら気持ち良すぎて眠くなる。。。

aanaar-lounge

お腹もいっぱいだしこのままこのソファーで寝たいなぁ~

なんてね。

今夜もこれから夜中までオーロラ鑑賞が待っているのでまだしばらくは寝れませぬ。

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