昔からヴァイキングの歴史に興味を持っている私、デンマークにある世界遺産イェリング墳墓群に行って参りました!
イェリング自体は本当に小さな町なので日本人の観光地としては有名ではないですが、かつてはヴァイキングの王座が設けられていた地でもあり、歴史的にもすごく重要な遺跡がある場所なんです。
そもそも私がここに行くことにしたのは『地図を眺めている最中に「イェリング」という町を見つけたから』と言うなんとも偶然!昔、世界史の授業で「イェリング朝」って習ったのをうっすらと覚えていて、それが関係している町なのかな?と調べたのがきっかけでした。
覚えていた自分を全力で褒めてあげたいくらい、行って良かった場所なので紹介します。
ここでの観光ポイントは①国立博物館『エクスペリエンスセンター』、②ルーン文字の石碑、③イェリング墳墓群、④イェリング教会の計4つです。
まずはデンマーク国立博物館のエクスペリエンスセンター。
館内ではイェリング墳墓群の説明、ヴァイキング時代の生活様式、装飾品、航海術などなど、ヴァイキングについての情報が半端ない!
展示にはデジタル技術が惜しげもなく施され、自分で見て触って体験できる最新型博物館。子どもはもちろんですが、大人も絶対楽しめます!!
内容も痒い所に手が届くと言うか、着眼点がユニークなものが多く、すごく興味をそそられました。例えばヴァイキングが戦いの時に使うそれぞれの武器について、「どの急所を攻撃するのに使ったか」、「すると何分間ぐらいで死に至るか」とかがボタンを押したり武器のレプリカを持ち上げたら分かるんです。帰ったら早速ヴァイキングのドラマで確かめよ!ってなりました。
とにかくすごく展示内容が充実した博物館なので、これだけのためにイェリングまで行く価値はあります。しかもなんと入場料無料!!なのにこのクオリティーは本当にすごい!スタッフさんもみんなフレンドリーで、説明や必見ポイントなどすごくたくさんアドバイスしてくれました。
外の石碑や墳墓群は四六時中公開されていますが、エクスペリエンスセンターは16時か17時(時期によって違う)までしか開いていないので、着いたらまずエクスペリエンスセンターの見学から始めた方が良いです。
そしてこれが有名なイェリングの石碑(Jelling Stone)。ルーン文字が刻まれています。
左の大きい方は『ハーラルの石碑』、右の少し小さい方は『ゴームの石碑』と呼ばれています。
ゴーム王が立てたゴームの石碑の注目ポイントは『デンマーク』と言う名前が国内で初めて使われたものであること。
ゴーム王の息子、ハーラル1世(通称『青歯王』)が立てたハーラルの石碑には「デンマークとノルウェーを征服し、デンマーク人をキリスト教に改宗させた」と刻まれています。
シンプルで文字だけのゴームの石碑に対して、ハーラルの石碑には文字と絵が描かれ、さらに当初は彩色まで施されていたんです!
博物館の入り口には当時の彩色を再現した石碑のレプリカがあるので、忘れずチェックしてみて下さいね♪
お次は広範囲の墳墓群。
真ん中の白い建物が教会で、北と南にそれぞれ墳墓があります。
遺跡が発見された当時はこれらを囲むかのように、石を並べて大きな船の形が表されていました。『Stone Ship』と呼ばれるこの埋葬様式の中ではここのが世界最大!
現在は石の代わりに白のコンクリートが建って船をかたどっています。
ちなみになんで船かと言うと、ヴァイキング達が信仰していた北欧神話では「亡くなった者は船に乗って神々がいるヴァルハラへ行ける」とされていたから。つまりこの船は魂を最後の航海へ送り出すものなのです。
「北欧神話って何?」「ヴァルハラって何?」ってヴァイキングの世界にちょっと興味が沸いてきたら、海外ドラマ『ヴァイキング 〜海の覇者たち〜』をチェックしてみましょう♪(現在はAmazon Primeでの配信は終了し、代わりにNetflixで配信されているようです)
墳墓はもっこり丘になっていて日本の古墳みたい。遠く離れた場所でも人々の考えることは同じだったんですね~
さらに墳墓からは遺跡地一帯が見渡せるので登ってみましょう。地面に施された船の形にも気づくはず。
それから2つの墳墓の間にある教会の中も必見ポイント!
右下の床の模様が一部シルバー色になっているのが分かりますか?(他のシルバーっぽく見える箇所は単なる光の反射)
これはハーラル1世の父親である、ゴーム老王(と思われる遺骨)が埋葬されている場所を示しています。
ハーラル1世によってこの教会が最初に建てられた時は木造でした。その後火事で焼失していまい、現在建っているのは4代目です。
教会の周りには一般人のものと思われる手入れされた墓石が並んでいます。きっとこの町の方々は亡くなったらここに埋葬されるんでしょうね。デンマーク歴代王の一人が眠る側に・・・それってなんかすごい!!
今やワイヤレスで音楽を聴くときにかかせないBluetooh。
実はこの名前はデンマークのハーラル青歯王(Harald Bluetooth)に由来していて、ルーン文字での頭文字『H(ᚼ)』と『B(ᛒ)』がこの見慣れたロゴを形成しているんです。
いかがでしたか?
コペンハーゲン、オーフス(Århus)、オールボー(Aalborg)などに行ったついでにぜひイェリングにも足を延ばしてみて下さいね。ヴァイキングの歴史に興味がある人はもちろん、そうでない人もきっと満足するはずです!
また、イェリングの近くにはレゴランドで有名なBillundがあります。学校が長期休暇の時期に、子どもと一緒にユトランド半島一帯を散策するのも楽しいと思いますよ♪