タリンから1時間の湿原【ラヘマー国立公園】に癒される

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今回のタリン旅行でどうしても行きたかったのがラヘマー国立公園(Lahemaa Rahvuspark)

エストニアは国土の50.5%が森林と言う自然がいっぱいの国で、この国立公園はソ連時代の1971年にエストニア初の国立公園に制定されました。つまりエストニアの国立公園第一号なのです!

国立公園だからとにかく広~いしトレッキングコースもたくさんあるんだけど、私が目指したのはヴィル湿原(Viru raba)

タリンから車で約1時間の場所に広がる大自然の中で、森林浴ならぬ湿原浴です♪

数あるトレッキングコースの中で私がスタート地点にしたのは、付近にバス停もある『Loksa tee』

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『Viru raba』と書かれた矢印の方向に進みます。

森の中を数分歩き、絵本の主人公のようなこんな可愛い女の子の標識が現れたら合っている印。

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後はこの木道を突き進むのみです。

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こういう木道大好き♪雨が降った後なのか、地面の植物からみずみずしい生気を感じました。

私の方はと言うと、一本道なのに、迷子になったわけでもないのにキョロキョロしながら進みます。

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なぜかって?

こんなトリッキーな育ち方をしている木なんかもいて、道の脇からも目が離せないんだもん!

なんだかウサイン・ボルト選手のライトニング・ポーズみたいだし(笑)

しばらく歩くとお目当ての展望台が見えてきました。

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国立公園の地図も持っていなかったし、標識もないから無事に発見できるかし少し心配していたけどなんのその!女の子の標識の所からまっすぐ歩くだけでした。

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ミニ版ツリートップ(ドイツで言うBaumwipfel)みたいなこの展望台に登って上から湿原を眺めます。

遠目で見た時は「意外と低い?」と思ったけど、一番上に到着して見てみると案外ちょうど良い高さでした!

展望台からの景色はこんな感じで思わず「ワーオ!!」

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歩いている時はそこまで気付かなかったけど、上から見ると沼がボコボコあるのがよく分かります。

天気の良い夏とかは、水面に青空と白い雲が映ってまた違った雰囲気なんでしょうね~。

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きっと冬は雪化粧がきれいで。つまりは春夏秋冬、それぞれ魅力的な景色が味わえていつ行っても楽しめる場所なのです。

少し下の段に下りると今度は木々と同じくらいの目線に。

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この展望台より先の道は狭い木道になるようです。
レンタカーで来たし、時間にはまだまだ余裕があるのでさらに先へと進みます!

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沼の中の島?でポツンと立つ木も

夏が終わると雨と曇りの天気が続くのはどうやらドイツだけではないようで、この日はほとんど曇り空。
とは言え、雨が降らなかっただけでもラッキーだったし、何よりこの秋っぽい色合いが周りを明るくしてくれたので日光が当たらなくても全然気になりませんでした。

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基本的には緑や黄金色の草が地面を覆っていたけど、たま~にお花が咲いている場所もあって進めば進むほど発見があります。

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ガイド付きのツアーだったら湿原で生息する生物やお花の名前とかも教えてもらえて勉強になりそうですね。

さて、さっきまでは『湿原の上の木道』だったのに、目の前に広がるのは明らかに『沼の上の木道』です。

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元気な緑色と黄金色をした草に囲まれてすごくキレイな道!

ただね、足を踏み外しでもしたら沼に『ドッボン』だし、どれだけ深いか見当もつかない怖さもあるのでここからはくれぐれも慎重に進みます。

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「落ちたら深いんだろうな~」
なんて考えながら沼の中を覗いてみると面白いもの発見!

緑のスターフルーツがいっぱいあるみたい。
水の透明度が高くてよく見えます。

なんて言う植物なんだろう?

そのまま進むと今度は白樺がたくさん!!!
ここから白樺エリアになり、木の白い肌が周りの景色をワントーンアップしているようです。

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白樺好きの私はさらにテンションが上がってしまい、足とニヤニヤが止まらない(笑)

私の一押しは白樺がズラ~ッと立ち並んだこの川。

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もうね、思わず溜息しかでないよこの光景は。時間が経つのを忘れるくらい眺めていました。

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他にも遠くを眺めながらひっそりと佇む白樺も。

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白樺エリアが終わってもまだまだ先へと続く道。

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木道がどんどん続いていて、その先に何があるのか分からなかったらとりあえず進むよね?

そうやって引き返すタイミングを失って歩き続けていると、いつの間にか沼地エリアから出て森に入っていました!

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さすがは湿原地帯の木。木の表面にもしっかりコケっぽいのが育っています。

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木の側に落ちていた枝にまでこんなにしっかりと!

ここまで来ると、もうコケと言うより葉っぱと化しているような・・・

ちなみ正しくは苔ではなく地衣類ちいるいに分類されます。

途中途中で景色を堪能しながら歩き、スタート地点からこの森の入り口までかかった時間は約1時間。お腹も空いてきたのでここで来た道を戻ることにしました。

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ちなみになんと、クラウドベリーもこの湿原でで自生しているみたい!

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湿地が好きだからね~。どうりでタリンのスーパーにもクラウドベリーのジャムや蒸留酒が並んでいるわけだ。
7~8月ごろに来たらオレンジ色に熟した実がたくさん見れるかもしれませんね♪

時期的にクラウドベリーはなかったけど、その代わりに可愛いキノコを発見しましたよ!!

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キレイな赤色をしていてかわいいけど・・・絶対毒キノコだよね!?スーパーマリオに出てくるみたいな。

そしてこの湿原でもう一つ魅力的なのがこちら。
「何この白い絨毯!?」って思わず駆け寄ってしまいますよ~!

ナウシカが胞子の部屋で育てていそうなこの白い子達、『reindeer lichen』もしくは『reindeer moss』と言って、名前からも想像できるようにトナカイの重要な食糧なんです。

日本語名は『ハナゴケ』
名前に「コケ」とついているから苔の一種かと思いきや、菌類と藻類の共生体である地衣類ちいるいの一種なんです。

コケや地衣類を見て『カワイイ!!』なんて思ったの初めて!

写真では可愛さがイマイチ伝わり切らないと思うので、これはぜひ現地で見て頂きたい!!!

ちなみにこのハナゴケを使ったチョコレートもあるんです。エストニアの大自然からのお土産にいかがでしょう?もちろん空港でも売っていますよ~♪

Natural reindeer moss in chocolate - Chocolala
Natural reindeer moss in chocolate - All products, From the nature, Gluten free, Vegan. Chocolala
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同じ道を帰って来ても、往路では全く気付かなかった発見があってずっと楽しい。
この木もそんな発見の一つです。

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葉脈みたいな模様が幹に掘られているけど・・・さすがにいたずらではないよね?

さて、それではここでいきなりクイズ♪

この木には何かが隠れています。
それはいったい何でしょう!?見えるかな~???

正解は『クモ』でした~!

「不思議な表面をした木だな~」と思って見に近づいたもので、しばらくして目の前のクモに気づいた時はびっくりしました。

木の色と同じような色で、これがまさしく保護色ですね。生物ってすごい!

最後はまるで童話やロード・オブ・ザ・リングに出てきそうな道を抜け、ヴィル湿原を後にします。

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どこかに木こりや小人が隠れていそうじゃない!?

旅行前にヴィル湿原の写真を見て「絶対行きたい!」と思って来たわけですが、想像以上に美しい景色が続き、

「来て良かったな。また違う季節にも来てみたいな。他のトレッキングコースにも行ってみたいな。」 と心から思える場所でした。

もしせっかくタリンに行くのであれば、ぜひ1日でもラヘマー国立公園へ行ってエストニアの大自然と美味しい空気を味わってくださいね♪

ラヘマー国立公園に行くには?

タリン市内からラヘマー国立公園へはバスの中央駅から出ている長距離ローカルバスで行けないこともありませんが、

  • 本数が少なく、1時間に1本くらいしかない
  • 帰りのバスが予定時刻よりかなりずれてバス停に着く可能性もあり、時間のロスや逃してしまう可能性も
  • バス停は高速道路沿いにあり、国立公園に入るには車がビュンビュン通っている高速道路を渡らないといけないので少し危ない

のでおすすめの行き方はレンタカータリン発のツアーです。

時間的なメリットだけでなく、ラヘマー国立公園内の他のハイキングコースやマナーハウス(荘園領主の邸宅)、エストニアで最も高い天然の滝を訪れることができます。➡次の記事で紹介

そんな訳でこの地域を満喫するなら断然、レンタカーか効率よく回れてガイドもしてもらえるタリン発のツアーです!

車でヴィル湿原に行く時の駐車場
バスでヴィル湿原に行く時の停留所

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