今回の旅ノートはポーランド第三の都市クラクフです!
クラクフは日本ではよく京都に例えられるようですが・・・個人的にはそんな感じの雰囲気は微塵もせず、やっぱりクラクフはクラクフ(笑)
「昔の首都」と言う歴史的にってことなのかな?
そう、実はクラクフは17世紀の初頭までポーランドの首都だったのです。
幸い第二次世界大戦であまり被害を受けず、歴史的建造物がたくさん残っている旧市街は世界遺産にも登録されています。
旧市街の観光スポットはわりとコンパクトにまとまっているので、週末旅行や1泊2日の旅におススメですよ~♪
★気になる『空港から市内中心部への行き方』は最後に記載しています。
バルバカン(Barbakan)
まずは旧市街の玄関口とも言える『バルバカン』。
15世紀に建てられたゴシック様式の円形の砦で、ヨーロッパで現存するこのような砦はわずか3つ。そしてその中でも一番状態が良く最大規模のものなんです。
冬季は閉まっているので中は見れなかったのですが、遠くからでも存在感がかなりありました。
中央広場と織物会館(Sukiennice)
バルバカンからまっすぐ歩くこと約5分、中央広場に到着です。
ヴェネツィアのサン・マルコ広場を彷彿させるほど、想像以上に広い広場の目の前に建つのは織物会館。かつては織物などの取引が行われていたことからこのように呼ばれており、現在はポーランドのお土産品が並ぶマーケットとなっています。
ルネサンス様式の市場の内部には丁寧なペイントが施された木製の小箱、琥珀、おまけにポーランド陶器も!
「ポーランドの民芸品ってなんだろう?」ととりあえず通り抜けてみました。
でもね、ポーランド陶器はやっぱり専門店で買った方が良いよ!種類の豊富さ的にもデザイン的にも。
クリスマスマーケット
アドベントの時期(クリスマスイブまでの4週間)になるとクラクフの中央広場でもクリスマスマーケットが開催されます。
ツリーに飾るオーナメントに、木製のヘラやおもちゃ、ちょっぴり中世っぽく鍛冶屋さんも実演販売していました。
やはりポーランドと言うことで、ポーランド陶器の店もクリスマスマーケットに花を添えています。
クリスマスツリー型はまさにこの時期ならでは。
中にキャンドルを入れて使うのですが、そのまま置いていてもすごく可愛い!
大きさも様々で、ツリーのオーナメント用のツリー型陶器もありました。
出店と言えど、大皿、小皿、マグカップにティーポットまで一通り揃っています。
ポーランドのクリスマスマーケット、侮れませんね。
ポーランド陶器に負けじと一際目を引いたのは、丁寧にアイシングされたジンジャーブレッド!
どれも可愛くて食べるのがもったいないよぉぉぉ。
このハート型に施された模様や色合いはいかにも東欧なデザインですね!
こんなに手が込んでいるのにお手頃なお値段なので、ちょっとしたプレゼントにピッタリ。
クッキーと言えば、クリスマスマーケットにはこんな可愛らしいクッキーローラーがたくさん売ってありました。
天然のブナの木でできた麺棒にレーザーで絵柄が彫られているので、伸ばすだけでクッキー生地にかわいい模様が付けられちゃう優れものなんです!あとは丸や四角など好きな形で型抜くだけ。
アイシングみたいな細々した作業が苦手の私にはぴったり~♪
柄はポーランドの伝統的な花柄から北欧風、ハート、動物のモチーフと本当に様々(肝心のクリスマスマーケットでの写真は撮り忘れました)。せっかくならポーランドらしいデザインを・・・と行きたいところですが、悩んだ挙句に購入したのは大好きなスウェーデンのダーラナホース柄。
サイズは大と小の2種類で、写真のものはローラー幅11.5㎝の小です。
なんせ細かい彫刻が施されているので、これでも現地価格で70PLNします(約15ユーロ/2000円)。大切に使わなきゃ!
旧市街のメイン通りにも何店舗かあるので、クリスマスマーケットの時期じゃない時はそちらに行ってみて下さいね♪
食べ物の屋台ではソーセージ、スープ、チュロスなどドイツのクリスマスマーケットでもお馴染みなお店が並ぶ中、いつ見ても長蛇の列になっているチーズのお店がありました。
『Oscypek』と言う名前のこちらのチーズは、ポーランド南部の山岳地帯で作られる羊乳を使った伝統的なチーズ。
模様が彫られた木製の型に入れて形成するため、チーズの真ん中辺りには可愛らしい模様がついています。
おまけにコロンとしていてとにかく愛らしいチーズではありますが、燻製されているので少々塩気が強いと言うギャップがもはや魅力的♪
どんな味かわからないけど、地元民に大人気だから食べるっきゃないね!(←この時はこのチーズのことを全く知らなかったの)
と、真冬の夜の寒~い中、屋台で並んで買ったのがこちら。
トッピングにはクランベリージャムをチョイスしました。クランベリーの酸味と燻製チーズの塩気がたまんない!!
ビールの良いつまみにもなりそうです。
食感はゴムっぽいキュッキュッとした弾力があり、キプロスのハルーミやフィンランドのレイパユーストのような食感でした。
夜は寒いけど、ライトアップされたツリーが輝いています。
ツリーのそばには観光客向けの白い馬車が何台もスタンバイしており、おまけに御者はみんな女性。まるでシンデレラに登場してくる馬車のような煌びやかさでした。
聖マリア教会(Bazylika Mariacka)
中央広場のすぐ側に建つゴシック様式の教会、『聖マリア教会』。
教会内部の見学は有料ですが(10PLN:2ユーロちょっと)、入って見る価値多いにありです!
この教会の最大の見所は、正面に見えるファイト・シュトースの祭壇画。
・・・と言われても私はこの手のものに詳しくないので、「わー!豪華!!」が率直な感想です。
で、その見所の所以はと言うと、この祭壇は1477年~1489年にかけて制作され、ゴシック期のヨーロッパで作られた祭壇画としては最大なのです。
祭壇画よりも私の印象に残ったのは教会の天井。
青く塗られた天井に金色の模様が映えていて、まるで中世のお城のように思えました。ドイツのどこかのお城の部屋が確かこんな色使いをしていたような。。。
絵画もとっても豪華。男性の服の部分やフレームの模様がメタリックで立体的になっていて面白い!
この教会の棟は2本あり、冬季以外に訪れると両方の棟に登ることができます。
Bugle Call Towerと呼ばれる、高い方の棟は81mあり、ここからはトランペットの時報が演奏されます。
このトランペット演奏には悲しい物語があって、さかのぼること13世紀。とあるラッパ兵がモンゴルの襲来を告げる警笛を鳴らしていたのですが、警笛を鳴らしている最中にモンゴル軍に喉を射られてしまいました。時報の演奏が途中で止まるのはそんな背景があるからなのです。
中央広場からそのまま旧市街のメイン通りを歩き、次に目指すはヴァヴェル城。
こちらはその途中にあった聖ペテロ聖パウロ教会。クラクフ初のバロック様式の建物です。
正面はすごくローマ風でどっしりと厳かな印象ですが・・・後ろはずらっと赤煉瓦が支えていました。
ヴァヴェル城(Zamek Królewski na Wawelu)
旧市街をまっすぐ突き進んだ先にはかつてのポーランド王の宮殿、ヴァヴェル城があります。
建物内部は美術館として一般に開放されています。チケット購入の際は見たいところをあらかじめ選ぶ必要があるので、事前にどこを見学したいかチェックしておくと良いと思います。
ヴァヴェル大聖堂
もちろん建物内部に入らなくても、広い敷地内の散歩だけに訪れるだけでも楽しめます。
お城の庭をぐる~っと一周しているとこんな所に氷柱を発見!
ただの氷柱でも、旅行中はなんだか日常の数倍は綺麗で特別に見えるでした。
展望台から見えるのはヴィスワ川。
クラクフのお土産である琥珀も、かつてはバルト海からこのヴィスワ川を下ってクラクフへと運ばれていました。
お城の裏手に出て川沿いを散歩していると、得体の知れないブロンズ像が目に入ってきます。
気になる正体は・・・細身ですがドラゴンです。
なんでも「ヴァヴェルの丘の地下にはドラゴンがいる」という伝説があったんだとか。
この像の奥には確かに洞窟があり、開館時間内は見学できます。
そしてこのドラゴン、いきなり火を吐くんです!
私も道行く周りの人々も、単なる像だと思って誰も構えていなかったのでまさかの仕掛けにびっくり。
次はいつ吐くのかと多くの人がシャッターチャンスを待ち、隠れたセンサーやボタンか何かがあるかもと付近を調べる人もいましたが・・・火を吐くタイミングはいまいち不明でした。
ユダヤ人街 ガジミエシュ地区
ユダヤ人街のあるガジミエシュ地区はちょっとアーティスティックなお店やカフェがたくさんあって、独特の雰囲気がある場所です。
ここは映画「シンドラーのリスト」のロケ地としても知られているようですが、その映画を見たことのない私にはあまりピンと来ず。ナチス系の歴史映画は好んでは見ないけど、せっかくなのでその内に見てみようかなと思います。
見たことがある人には見覚えのある光景があるかも?
この無造作に置かれた感じが返って味が出てステキなお花屋さん。
ガジミエシュ地区には北ドイツの建物を思い起こすような赤煉瓦の教会も。
コーパスクリスティ大聖堂 大聖堂内部
旧市街とは雰囲気がガラッと変わっていて興味深い地区ではあるものの、簡素な建物だったりどこか冷たい印象を受け、正直あまり一人では行きたくない場所だな・・・行っても明るい時だけだなと感じました。
レストラン
旧市街は地図がなくても観光しやすいくらい割とこじんまりしています。
そんなわけで、一通り観光名所を見終わってぶ~らぶらと路地裏歩きをしている時に見つけたのが、レストラン『Czarna Kaczka』。アヒル?鴨肉の専門店です。
地域や家庭にもよりますが、ドイツのクリスマス定番料理と言ったらガチョウや鴨の丸焼き!
街全体がクリスマスムードだし、ドイツのお隣ポーランドの鴨料理にちょっと興味がわいたので入ってみることに。正直私は鴨の丸焼きより牛ステーキの方が好きなんですけどね(笑)
でもこの直感(?)が大正解!!!
レストランの雰囲気、お料理の味、どのスタッフの対応もと~っても良くて大満足でした。
鴨肉だけでなく、ポーランドの郷土料理であるピエロギやパン皿で提供されるスープなど食べたいものが全部あったのでこの通り!
お通し ピエロギ 鴨の胸肉赤ワインソース添え
どれも美味しくて、クラクフに住んでいたら間違いなく通い倒しています。
ドリンクには日本はおろかドイツでもあまりお目にかかることがないであろう、ポーランドのワインをいただきました。
そして最後はクリスマスマーケットで飲み損ねたホットワイン。
ドイツのよりオレンジとスパイスの風味が強くてまた違った美味しさ♪
お会計の時にはレシートと一緒にプラムの食後酒をサービスで持ってきてくれて、身も心もポーランドを満喫いたしましたとさ。
後から気づいたのですが、レストランへの入り口は2つあるようで、どうやら部屋も別々な様子。
私が入ったのは通りから建物の奥へ、中庭へと続く道を進むとある、個人宅のようなこんな入り口です。
クラクフの定番のパンと言えば・・・
クラクフには『Obwarzanek』と言う、とっても有名なパンがあります。
なんで有名かって?
実はこのパン、あのもっちりしていて美味しいベーグルの起源と言われているんです!
ベーグルってアメリカの印象が強いですが、元々は東欧系ユダヤ人の食べ物で、クラクフから世界に広がっていったんですね~。
味は主にプレーン、ゴマ、チーズの3種類で、おススメはチーズ!
値段は約2PLN(40セント)、物価の高い空港でも3PLN(60セント)と安いのに美味しくて腹持ちも良い優秀ものなんです。
街中や駅などそこら中に小さなスタンドを構えて売っているので、ぜひ一度食べてみて下さいね♪
お土産さんにはオブヴァジャネックの形をしたマグネットもあるくらい、クラクフの定番品なのでした。
ポーランド食器を買うなら
色やデザインが和食にも合っていて、日本でも大人気のポーランド陶器。
私もすでに何皿か持っているので今回は買う予定も見る予定も全くなかったのですが・・・
街を歩いていると自然と目に入っちゃうんですよ、可愛いショーウィンドウが!!!おまけにクリスマスマーケットにもあるからついつい気になっちゃって。
そんなわけで気づくと5点も買っていました。ポーランドはなんて誘惑がいっぱいで危険な国なんでしょう!!改めてポーランドに住んでいなくて良かったと思います(笑)でないときっと買いすぎちゃうからね。
クラクフで常時ポーランド陶器が買える店としては中央広場の織物会館やお土産屋さん、他にもポーランド陶器の専門店が多々ありますが、その中でも特におすすめの2店舗がこちら。
同じ通りの、本当に目と鼻の先にある2店舗なので、行ったり来たりして気が済むまでしっかり悩んで決めれるのも利点です。
おすすめの店 その①
旧市街への入り口、バルバカンから聖フロリアン門をくぐって中央広場へと続くメイン通りよりも2本奥の通りSławkowskaにあるポーランド食器専門店、『Mila』。
ここはクラクフで一番最初のポーランド陶器専門店で、1991年からずっと同じ場所で営業している歴史あるお店です。
クラクフでリンゴポットを買うならここ!他ではあまり見かけませんでした。
定番のデザインや、ちょっとお高い手の込んだUNIKATのデザインなど、各デザインごとに様々な形の食器が並んでいます。
そのため、ティーセット一式揃えたい人にはかなり見やすいと思いますよ♪
焼きリンゴ用のリンゴポットも クリスマス商品もた~くさん!
店内の客は私一人だったので、できればそっとしておいて欲しいな~と思っていたところ、「何か探しているものあったら手伝うから声かけてね!」と店員のお姉さん。じっくり見て吟味したいことを伝えると、快くほっといてくれました(笑)
その後、おすすめその②の店とを何度も行ったり来たりしていたわけですが、毎回「お帰り!」、「どれも可愛いよね。しっかり悩みなさい!」、「じゃあまた後でね!」と終始とってもフレンドリーな対応でした。
支払いの時に私が日本人であることを知ると、「この店は地球の歩き方にも掲載されているんだよ!」と側から地球の歩き方を取り出して該当ページを見せてくれて。
お店が外国の旅行誌に掲載されて、書いてある言葉は読めないけどその本がお店の人のもとにも届いて、嬉しそうに大事にしているってなんだかステキな縁だな~と思います。
通常日曜日は定休日ですが、クリスマスが控える12月は毎年日曜日も営業しているようです(私が行ったのも日曜日。定休日と思って通り過ぎようとしたら開いていた!)。
おすすめの店 その②
もう1店は『DekorBuy』。下に記載の住所からも分かる通り、Milaのすぐそばにあるお店です。こちらは常時日曜日も営業しています!
小皿の種類がとにかく豊富なので、和食に合うポーランド陶器をゲットするなここです!おまけに箸置きなんかもありますよ♪
入り口近くの部屋にはUNIKATのデザインなど、各デザインごとに様々な形の食器が陳列し、奥の部屋には小鉢や長皿がたくさんまとめてあります。
2杯分くらいにちょうど良い大きさのティーポットはデザインが豊富で、カップ&ソーサーと合わせて一式揃えたくなるほど。
ディズニー大好きなわけでもないのに、ディズニーランドに行くと魔法がかかったかのようになぜか「かわいい!」を連呼して色々買ってしまう・・・って経験ありませんか!?
それと似たような感覚であれもこれもと欲しくなる、まさにポーランド陶器ランドです(笑)
このお店には姉妹店の『DekorArt』もすぐ近くにあるのですが、こちらは日曜日は営業していません。
両店舗ともプチプチを使って丁寧にしっかり梱包してれるのでとても安心です。
私は利用しませんでしたが、購入品の日本への発送も対応してくれます。
ローケション抜群のホテル
クラクフの宿泊料金は比較的安く、一人旅でも良いホテルを利用しやすいと思います。
趣のある旧市街に泊まるのも非日常的で素敵ですが、やはりネックになるのは石畳。スーツケースをゴロゴロ引くのは結構厄介で疲れますし、キャスターが早くに劣化する原因にもなります。
さらに夜遅くに到着することと、最終日はギリギリまで遊びたいことも考慮して私が宿泊先に選んだのは中央駅前のホテル。
周辺の治安は良く、旧市街まで徒歩7分とかなりの好立地でした!
もちろんチェックアウト後も荷物を預かってもらえるので、電車のギリギリの時間まで身軽に観光できます。
空港から出ている市内へのローカルバスもホテルの側に停車するため、電車・バス両方の利用において便利です。
朝食ではオムレツやポーチドエッグなど卵料理の注文が個別にできるほか、オープンサンド(トースト)のメニューもあります。アボカドが乗ったトーストがすごく美味しくておかわりしたいくらいでした。
スタッフによっては説明がないかもしれませんが(初日は説明がなく食べそこねたのです)、よく見ると壁にメニューが書いてあるので探してみて下さいね。
クラクフ空港から中心部への行き方
クラクフ空港から市内へ行く方法は列車、バス、タクシーなどがあります。
列車だと所要時間17分で片道12PLNとお得で便利です。チケットは駅の券売機、列車内の券売機、車掌さんから購入することができます。
便利な列車ですが、一つだけ注意したいのが運行時間。
そんなに本数が少ないとは微塵も思わなく、下調べもしていなかった私のフライトは夜遅くの到着。空港駅のホームで次の列車が1時間以上後と知り、さらには終バスも行ってしまった後だったので、結局タクシーで市内まで移動しました。
空港から中央駅周辺へはタクシーで約25分、料金は約89PLN(20ユーロくらい)です。
料金は空港からの距離によって決まっているため、ぼったくられる心配もありません。心配な場合は事前に目的地までの値段を確認しておくと良いと思います。
おわりに
今回は金曜の夜ドイツ発、日曜の夕方クラクフ発のフライトで訪れましたが、ポーランド第三の街とは言えど、クラクフの観光スポットはギュッと凝縮しているので1泊2日のプチ旅行にピッタリな場所でした。
また、日程に余裕がある場合はクラクフから日帰りでアウシュビッツ強制収容所やヴィエリチカ岩塩坑を訪れてみてはいかがでしょうか?